【ネタバレあり】「シン・ゴジラ」感想 その2~特撮作品としてどうか~

2019年4月15日

前記事その1からの続きです。
 

2. これまでのゴジラのリスペクト、そして新しいゴジラで大満足

さすが特撮好きである庵野総監督や樋口監督らの情熱が籠っていると思いました。
自分も昔からゴジラが好きなのですが、正にこんなゴジラを見たかったというのを体現してくれました。

自分が子供の頃に見た好きなゴジラはいわゆる対決モノの怪獣同士のプロレスでした。
モスラ対ゴジラが初見、幼少期は怪獣総進撃とかそのあたりを見ていて、中高校生頃は平成シリーズを見ていました。
ちなみにVSビオランテ、VSキングギドラが好きだったりします。
 

でも、自分も大人になって、今見たいのは子供騙しなゴジラではなく、リアリティのあるゴジラでした。
 

初代ゴジラは当時衝撃的だったでしょうし、今作は初代ゴジラの血を引いた現代版の正統な「ゴジラ」でしょうね。

ゴジラが強いし、神、恐怖、災害、正義でも悪でもない描き方がされています。その不気味な恐怖や神々しくもあり、禍々しさが表現されていました。

でもゴジラって、ただそこにいるだけなんですよねw

そういう意味で、今作は敢えてあまり体を動かさず、何を考えているか分からない不気味であり、ただの災害のような表現が良かったです。
 

●CGについて

予算が少ない中、CGも非常に素晴らしかったと思います。

特撮シーンもハリウッドの2014年版ゴジラやパシフィックリムのように夜ではなく、表現がごまかしにくい昼間の描写に真っ向から取り組んだのは素晴らしいです。

夜の熱線を吐くところは、恐ろしくもあり映像美が素晴らしい。
熱線を吐くだけでもこんな描き方があるのかーと思いました。

地面に吐き、ビルの谷間に流れ込み、そして空にナウシカの巨神兵よろしくプロトンビームが描かれる。

都内が火の海と化すのも恐ろしいですが、狂気的な美しさがありました。
ゴジラ映画はやっぱり破壊シーンも見どころです。

銀座の時計台破壊は初代リスペクト、霞が関の議事堂が燃える描写はゴジラの日本への太平洋戦争での犠牲になった人の怨念などにも感じられました。
 

そして背びれからの拡散レーザーや尻尾からの熱線も衝撃的でした。
まさにこう来たか!という、さすが庵野監督でしたねw
自分の中でのゴジラ像が強い人は受け入れられないと思いますが、自分は肯定派ですw
 

尻尾からも熱線

放射熱線シーンもバーゲンセールの安売り多用ではなく、使いどころが抑えているからこそ効果的でした。

ラスト東京駅でのヤシオリ作戦も見応えがありました。

ハリウッド映画ならミサイルとかの外部破壊で見た目も良いし、カタルシスを誘って大団円で終了だよね、で終わりますが、そこは官民の力の結集で泥臭い内部からの凍結作戦がいかにも日本らしいです。

ヤシオリ作戦
「薬は注射より飲むのに限るぜ、ゴジラさん」
 

コンクリートポンプ車や新幹線、無人在来線爆撃も素晴らしい。まさに我ら日本の民間人も協力してゴジラを倒そうということを感じさせられました。

加え、無人在来線爆弾は見たときに笑いましたけどねw

視聴後の周りの感想を聞くとやはり大ウケのようで、特に都民からすると普段乗っている山手線などが使われるのは親近感もありますし、ネタとしても面白いところです。
そして先にも書いたように我ら国民までも一致団結している表現として親近感あるものになっていると思います。

ちなみにヤシオリ作戦のヤシオリとは、神話のヤマタノオロチを倒すときに用いた酒の名前だそうです。矢口が「ゴジラ凍結作戦じゃ子供っぽいのでヤシオリ作戦にします」と言ったけど、実際その命名もどうなんだろうと思いますがw

で、まさかヤシオリ作戦では宇宙大戦争が流れるとは!

…あ、いや、自分は宇宙大戦争の映画自体は観ていないのですが、曲は大好きなんですよねw

そして、あのヤシオリ作戦のシーン、ゴジラの背びれからのビームが空を飛びかい、マスクや防護服を纏った矢口らが昔の特撮作品のコスチュームを想起、まさしく空想特撮作品としてのノスタルジーを感じました。

背中から拡散ビーム
 

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